上野公園にある五條天神社では毎年節分に「うけらの神事」という一年の無病息災を祈願する神事が行われます。
今回は「うけらの神事」をレポートします。
五條天神社のうけらの神事
上野公園に鎮座する「五條天神社」。
創始は西暦110年頃と言われています。
2月3日節分の日に行われるのが、「うけらの神事」です。
「うけらの神事」は悪鬼を祓う追儺式で、一年の無病息災を祈願します。
平安時代の古式にしたがって儀式が進められていきます。
この日、私は東叡山寛永寺開山堂の節分会にも参加。少し早めに抜け出して五條天神社に向かいました。
五條天神社に到着したのはうけらの神事が始まる少し前でしたが、境内にはすでに多くの人が集まっていました。
15時、本殿で祭典が始まりました。福豆まきの奉仕者や参列者の厄除祈祷が行われます。
そして、15時半ごろ、祭典が終わり、うけらの神事へと移りました。
四方払い
その後、本殿前の設置された舞台の上に方面氏が登場します。
方面氏は4つの金の目を持ち、熊の皮を被り、黒い袍、緋の袴という出で立ちです。
この姿は古い書物にあらわされ、平安時代の宮中でも登場するそうです。
時代とともに、この方面氏は鬼と混同され人々に追われる役を担うようにもなります。
方面氏は生弓、生矢で四方払いの舞を行い、神社境内だけでなく氏子各町を祓い清めます。
方面氏のお面をつけた者は弓の弦をはじき、弦根によって悪鬼を払い、でんでん太鼓を打ち鳴らして宮中を歩いたとも伝わっています。
蟇目式(ひきめしき)
蟇目式では鏑矢を使い悪鬼を追い払います。
宮司が弓の矢を引き、矢を叩きつけます。
赤鬼と青鬼登場
突然、後ろから野太い声が聞こえてきました。
振り向くと、赤鬼と青鬼が鳥居から境内へと入ってきました。
観客の間を通り、舞台へ上がります。
社殿に入ろうとする鬼の前に方面氏が立ちふさがります。
鬼たちは挑みますが、ついに方面氏から矢を受けます。
鬼との問答
副祭主と鬼たちの問答が行われます。
副祭主が鬼たちに何者かを聞き、それに鬼が返答します。
鬼を追い払う
方面氏が再び登場して、弓と矢を3回叩き、「鬼は外」と連呼し鬼を追い払います。
豆まき
その後、社殿から年男年女の方たちが出てこられ、豆まきが始まりました。
私はギリギリに境内に入ったので、前から15列目ぐらいでした。
そのため、なかなかキャッチできず苦戦しました。
でもなんとか、福豆1袋、飴2個、キャラメル2個をゲットできましたよ。
こちらでは他にもボールやぬいぐるみ、カップ麺なども撒かれていました。
儀式の間中、社殿ではうけらが焚き続けれ、邪気を祓います。
「うけら」とは、オケラのことで、キク科の植物です。若芽は山菜として食べられます。
社務所では「うけら餅(300円)」がいただけます。
その他、追儺の御札・神矢や鬼討ち豆、福杓文字、追儺の絵馬も受けることができます。
日時 | 2020年2月3日(日)15時~ |
会場 | 五條天神社 |
所在地 | 東京都台東区上野公園4−17 |
TEL | 03-3821-4306 |
地図 |